2016.05.21
熊本地震37日目|サッカーボールが教えてくれた
私の母校であり、湯らっくすの近所の江南中学校サッカー部一同より、サッカーボールの寄せ書きをいただきました。
自分たちも被災者でありながら、応援メッセージをくれました。
例年ゴールデンウィークに人吉の方でサッカーの合宿を行っているそうなんですが、今回の地震でそれがキャンセルになり、学校で行うことになったそうで、その練習の後に皆さんでお風呂に入りに来られました。
この寄せ書きサッカーボール、子供達の声がとても励みになる。
江南中学校サッカー部の皆さん、引率の方々、本当にありがとうございます。
生まれて初めて仕事をしていて、こんな寄せ書きをいただきました。湯らっくすで「つば」や「たん」を吐く人はたくさんいましたが、応援メッセージをいただいたのは初めてです。
嬉しかった。
いや、震えました。
今回の地震を受けて、震災直後から自分たちの手の届く範囲で、自分たちのできることをしようとスタッフとも話し会っておりました。
台風直撃による停電で家のお風呂が使えなくなって、2,3日の間、風呂屋が儲かったという話とは今回の地震は違う。
激甚災害。
故郷の惨劇を目のあたりにしながら、お風呂が営業できない日々が続きました。30秒ごとに「お風呂は営業しているのか?」との問い合わせの電話が朝から晩まで続きました。
こんな時に、営業ができない。。
しかし、地震発生からの営業できなかった10日間という期間が、「今、何をしないといけないのか?」という冷静な判断に繋がりました。
そしてそれがこのサッカーボールにつながっています。
湯らっくすの宝物です。
フロント前に設置している「絆ノート」も、地元の方、ボランティアの方の書き込みが溜まってきました。
毎日見てます。スタッフも、お客様もみんな見てます。
ボランティアの方々への無料開放はまだ続けております。連日たくさんの方がボランティアを終えて、その日の疲れを癒されています。
実際のところ、突然の忙しさに疲れ、「ボランティアを受け入れると仕事が大変になる!」となってしまっているスタッフもちらほら。お客様からも、「ボランティアが多いから、ゆっくり入れない・・」というボヤきも聞こえ始めました。
ここが正念場。
ボランティアの人たちは、熊本のために朝から晩まで無償で頑張ってる。
またスタッフには忙しさに慣れてほしい。忙しいのが標準。
皆んな震災以来、連日頑張ってる。もう一つ山を越えよう。6月は閑散期。もうすぐ歩ける。今は走る時です。
更にもう一つ。
湯らっくすは、今後全国のどこかで激甚災害が起こった時の風呂屋の対応のモデルケースとなります。
激甚災害時は、その土地の為に頑張ってくれているボランティアは、風呂屋は無料で受け入れるという慣習。
「熊本ではこうだった・・」という話から、受け入れる施設が「仕方ないか・・」から始まってもいい。
地元のタクシーで、「湯らっくすまで」といえば分かる位の規模の温浴施設のオーナー、親会社の規模なら、それ位はできる。
例外として、銭湯や規模が小さいスーパー銭湯は無理かもしれない。
このサッカーボールに誓って(おおっ)、今後そういう啓発を温浴業界でしていきます。
熊本の田舎の社長が何か言うてる・・構わない。どんどん発信します。
お父さんはお風呂屋さんと子供に胸を張って言える。
そして、もう一回言わせて。
ありがとう。江南中学校サッカー部!!
湯らっくすフロント前の「絆コーナー」に頂戴した寄せ書きサッカーボール飾ってます。
さてrise up。 また大きな目標ができた。
追記:
*被害に遭われた方々は、熊本県が各温浴施設、銭湯で無料で入れるように手配されています。避難所に貼ってある浴場リスト、説明をご覧いただき、近隣のお風呂屋さんをご利用ください。