2016.06.01
熊本地震48日目|美人蒸し浴場登場秘話
物事は予想もつかない方に出るものです。。
20代の頃、給食センターのおばちゃん達と「おふくろ居酒屋大福亭」を立ち上げた経験があります。
小鉢料理を並べた居酒屋です。閉店間際、ある常連様が「おにぎりが欲しい」というので、最後残ったご飯をソフトボールを1周り大きくしたおにぎりにして、海苔1枚を巻いて出しました。
「これが大福亭の名物料理!!」と大変喜ばれました。
嬉しかった反面、おにぎりが名物料理なんて、他にも「おふくろカレー」とか、「おふくろポテトサラダ」とかもうちょっと気の利いたものがあるだろうって複雑な気持ちになりました。
そのお客様が「爆弾おにぎり」と命名して、他の常連様にも言って周り、いつしか「爆弾おにぎり」が大福亭の名物料理となり・・
それより又ちょっと前の話。
20年前、お風呂の清掃を毎朝張り切ってやっていた頃のことです。
清掃中は風呂場の窓を全開にするので、涼しいんですが、営業中になると窓を閉めきって、浴場内が湯気でムンムンしていたんです。
他の温浴施設に視察に行くと、天井が高いので窓を閉めきっていてもムンムンすることはありませんでした。
湯らっくすの浴場の天井の低さを、蒸し蒸しする浴場を嘆きました。
「普通の浴場にしたい」
浴場に強力な換気扇を男女風呂共に2台ずつ、合計4台設置して、湯気を外に逃がすようにしました。
我ながら良いことをしたと鼻高々で、男性のお客様からも、快適になったと好評でした。
が、しかし。。
「大変です!女性の客多数がフロントで支配人(当時の私)を出せと騒いでます!」
朝から晩まで女性のお客様たちの対応に追われました。
「湯らっくすはあの蒸し蒸しした浴場が売りだろうが〜」
「こんな寒いなら風邪引く」
「天井の低いのが良かったい!」
「これじゃよそのお風呂と変わらんじゃないか」
ショックでした。
快適とは思えない浴場を多くの女性客が「蒸し浴場」としてとても気に入ってくださっていたのです。
次の日のお肌のノリが断然違うという理由でした。
お客様が苦情を通して教えてくれた目の前の宝物に気づく事はありませんでした。
その時はどうしても「普通」の温浴施設にしたかったのです。
あれから20年(綾小路きみまろ風)・・
今回は、「塩もみ」という相棒をひっさげて、「蒸し浴場」を20年ぶりに解禁いたします。
そう、20年の間、封印されてきた伝家の宝刀にも似た、必殺「蒸し浴場」。
100%天然温泉の湯気が体を覆います。
*6/1 まだ湯気が覆うほどの強さには設定していません
「あなたの日常に極上お肌」この謳い文句に偽りがないように、そう言っていただけるように、湯らっくすも研究を深めてまいります。
「普通」から「ぎんぎらぎんにさりげなく」。
目指すのはそういう「普通」。
かつて目指していた「普通」とは違うもの。
長年愛されるサービスに成長してくれるといいな〜。